労働基準監督署の取り締まり強化

全国の労働基準監督署が、毎年4月から3月までの1年間で、残業に対する割増賃金が不払いなっているとして労働基準法違反で是正指導した事案のうち、1企業当たり100万以上の割増賃金が支払われた事案の状況は下記のようになっています。

平成26年度 是正企業数1,329企業

支払われた割増賃金合計額142億4,576万円

1企業平均額1,072万円

出典:厚生労働省「監督指導による賃金不払残業の是正結果」より

過重労働撲滅特別対策班

通称:かとくの設置

過重労働による健康被害の防止などを強化するため、違法な長時間労働を行う事業所に対して監督指導を行うための専従対策班が、平成27年4月1日に大阪労働局と東京労働局に設置されました。

この「過重労働撲滅特別対策班」には労働の専門家で逮捕権限もある労働基準監督官が配置され、実際に従業員に違法な長時間労働をさせていたとして、全国展開している小売りチェーンや大手の外食チェーンの会社や役員、店舗責任者が書類送検されています。

労働基準監督官には、逮捕権もあります。

悪質な「残業代未払い」や「長時間労働」の事例では、経営者が書類送検されることも。

労務トラブル衝撃の判例

長時間労働で寝たきり1億8,700万円の賠償命令

長時間労働の過労で倒れ、寝たきりになったとして、損害賠償などを求めた訴訟の判決で、裁判所は、約1億8,700万円の賠償と未払い残業代約730万円の支払いを命じました。

判決理由で、男性が自宅で倒れて前の6ヶ月の時間外労働が月平均約200時間だったと認定。「残業代を支払わずに時間外労働をさせ、過酷な労働環境を見て見ぬふりで放置した。安全配慮義務違反は明らかだ」と会社の責任を指摘しました。

  • 賠償額には、余命分の介護費や慰謝料も含まれています。
  • 発症までの6ヶ月間の時間外労働は、労災認定基準の“発症1ヶ月前の100時間”の2倍を超えていました。

1ヶ月当たりの時間外労働が62時間でも労災!?

当時33歳だった男性が突然死したのは過労が原因として、男性の両親が遺族補償給付などを求めた訴訟の判決で、裁判所は労災に当たると判断し、不支給とした労働基準監督署の処分取り消しを命じました。

過労死の労災認定の目安は、死亡前6ヶ月間の時間外労働が月平均80時間超。この男性の同期間の時間外労働は62時間49分で、労基署はこの目安に当てはまらないとし、労災を認めませんでした。

しかし、裁判所は、死亡36ヶ月前までさかのぼり、時間外労働が100時間超える月があるなど「恒常的な長時間労働で疲労を蓄積していた」。

また、「死亡10ヶ月前からも月45時間を超える時間外労働に従事し、蓄積した疲労を解消できず、自然経過を超えて疾病が悪化した」と判断し、業務と死との間に因果関係があるとしました。

労務トラブル防止のためのチェックリスト

  • 採用時に業務内容を記載した労働契約書を交わし、誓約書をもらっていますか!?
  • 退職合意書の書式を準備していますか!?
  • 長期の無断欠勤者の扱いを就業規則に規定していますか!?
  • 休職の期間は適切ですか!?
  • 復職可否の判断は会社がすると決めていますか!?
  • 配置転換や転勤の可能性があることを就業規則や労働契約書に記載していますか!?
  • 再雇用の条件を就業規則などに規定し、継続雇用時の労働条件について契約書を交わしていますか!?
  • 有給休暇の申請方法についてしっかりとしたルールを作っていますか!?
  • 慶弔休暇の長さや規定のしかたは適切ですか!?
  • 研修費用の負担について、適切なルールを設けていますか!?
  • 固定残業代を採用する場合、就業規則や労働契約書に固定残業代の金額とそれに相当する残業時間数を記載していますか!?
  • 固定残業代を支払っている場合でも、オーバーした時間分の残業代は別途支払っていますか!?
  • ハラスメントが起きないように研修を実施したり、ハラスメント防止のための体制づくりをするなど対策をとっていますか!?
  • 採用時に「健康状態に問題はない」という誓約書をもらっていますか!?

など、まだまだ注意しなければならないことがたくさんあります。

詳細につきましては、専門家である社会保険労務士等にご相談ください。

美容室の労務管理、就業規則、助成金申請のことなら、お世話になっている美容室専門の社会保険労務士事務所、右田事務所の右田さんが頼りになります。

美容室の健全な発展とスタッフの幸せをサポートする。

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社会保険労務士 右田事務所

美容室専門 特定社会保険労務士 右田一郎さん

お問い合わせは

03-6808-3131です。

1週間の法定労働時間は40時間ですが、美容室で、常時使用する労働者が10名未満の事業場に関しては、法定労働時間が44時間となっています。

現在の労働基準法は、労働時間の上限を「1日8時間」「1週間40時間」と定めている。ただ、同法36条に基づいて労使が協定(36〈サブロク〉協定)を結ぶと、法律の上限を超えた残業が認められます。

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