担当させてもらっている僕のお客様が、労務管理の見直しや起こりうるハラスメントに備え、顧問弁護士の契約を行いましたが、美容室は弁護士の顧問契約まで必要なんでしょうか!?
お世話になっている美容室専門の社会保険労務士さんに聞いてみました。
終身雇用が当然だった時代は終わり、雇用の流動化や雇用形態の多様化に伴い、会社と労働者の関係はひと昔と随分変わってきています。
また、近年は労働者がインターネットや関連書籍から労働法について詳しく調べることができ、未払い残業代請求や解雇無効の訴えなどの労働者の権利に関する知識を手軽に得られる時代となりました。
それにつれて、表面化する労務トラブルも年々増えています。労務トラブルは一度起きてしまうと、会社のイメージが悪化したり、会社の金銭的な損失につながったり、経営者はその対応に多くの時間を取られたりするだけではなく、他の従業員のモチベーションが下がり業績の低下をもたらすことにもなりかねません。
目次
全国の個別労働紛争状況
厚生労働省は毎年、『個別労働紛争解決制度』の施行状況を公表しており、そのうちの「総合労働相談」の件数はここ数年100万件を超え、高止まりしています。
人事労務管理の個別化や雇用形態の変化なども背景にありますが、労働者側が以前より労働基準法などの知識を学び、争うべきところは争うということが当たり前になってきていることを示唆しているともいえます。
「民事上の個別労働紛争相談の内訳」を見ていくと、いじめ・嫌がらせ、解雇、自己都合退職、労働条件の引き下げに関するものの割合が多くを占めています。
労務トラブル事例
これってパワハラ⁉
パワー・ハラスメント(パワハラ)とは、一般に『職場において、職権などの力関係を利用して、相手の人格や尊厳を侵害する言動を繰り返し行い、精神的な苦痛を与えることにより、その人の働く環境を悪化させたり、あるいは雇用不安を与えたりすること』と定義されています。
しかし実際に、ミスなどの注意や部下を育てるための激励・指導などの中には、どこまでがokなのか、境界線を引くのが難しいことが少なくないでしょう。
また、「パワハラ」という言葉に上司が必要以上に敏感になり、萎縮してしまって指導ができなかったり、かえって職場がぎくしゃくしてしまったりするようでは、職場環境が悪化して本末転倒です。
気をつけたいことは、部下のための指導と言いながら、それと同時に自身のイライラ感情もぶつけていないかということです。また、みんなの前で怒鳴りつけたり、人格を否定するようなことを言ったりしていないかということも意識する必要があるでしょう。
パワハラは、民事上の不法行為責任を問われ、損害賠償請求を負うことがあります。
しかし、パワハラ対策は、見方を変えれば、良い職場環境を作る、コミュニケーションを良好にし、上司と部下のいい関係を築くことであり、これは生産性の向上に通じるものだと言えます。だからこそ、どうすればパワハラにならず効果的に部下を指導育成できるかを具体的に会社全体として考えていく必要があるでしょう。
訴えられてしまったら
訴えられてしまったら、社会保険労務士だろうがなんだろうが、他人の法的紛争に介入する非弁活動は、弁護士法違反のため弁護士以外はダメです。
弁護士法72条は、弁護士資格を有しない者(非弁護士)による法律事務の取り扱いを禁止している。
弁護士への相談はなるべく早くしておくことが大切になります。
訴えられなければ
訴えられなければ、弁護士って必要ないでしょうか!?
そんなこともありません、訴えられないための事前準備が必要です。
雇用契約書・労働契約書・業務委託契約書などの作成の相談(リーガルチェック)
美容室の契約書の中には、あいまいな表現のものや説明不足のものがあり、法的に妥当であるか、リスクが存在しないかをチェックしてもらいます。
不動産トラブルの相談
実際、僕のお客様が、理不尽な立ち退きにより美容室の経営が困難になったことがあります。
訴えられないためにも
訴えられないためにも、是非、「転ばぬ先の杖」として、まずは相談してください。
労務のことなら社会保険労務士がいます。
採用時に業務内容を記載した労働契約書を交わし、誓約書をもらっていますか⁉
36協定で定めた残業時間の限度を超えて残業させていませんか⁉
社会保険労務士にも顧問弁護士が付いています。
どうにかなってからでは、どうにもできない事もあります、そのようなトラブルも未然に防げます。
顧問弁護士を選ぶなら、労務に強い弁護士を選ぶべきでしょう。
離婚問題などもありますが、離婚には離婚に強い弁護士がいて、労務には労務に強い弁護士がいます。
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