美容室における中小企業経営強化税制(B類型)の利用

設備投資をした場合に使える優遇税制をご存知ですか!?

美容室の新規開業や大幅なリニューアル時にかかった費用を全額費用として計上できる制度のことで『中小企業経営強化税制』といいます。

平成29年4月1日から施行された税制で、平成31年3月31日までの2年間利用することができます。

昨年にも同じような制度として生産性向上設備投資促進税制というものがありました。

これが組み替えられてできたのがこの制度です。

中小企業強化税制ってどんな制度

対象者

青色申告をしている法人・個人事業主

適用要件

  1. 平成29年4月1日から平成31年3月31日までの間に、
  2. 経済産業大臣に設備投資計画の確認を受け、
  3. その計画に基づき収益力強化設備を新規取得等して、
  4. その事業の用に供した場合

税制優遇内容

税額控除 取得価額の10%(法人税の20%が限度)

即時償却 取得価額の100%を減価償却費として費用化

適用対象資産

設備の種類 → 最低金額(1台1基の取得価額)

機械装置 160万円以上

工具 30万円以上

器具備品 30万円以上

建物附属設備 60万以上

ソフトウェア 70万円以上

上記の対象設備の取得によって、年平均投資利益率が5%以上となると見込まれること

生産性が向上することを経済産業局に認めてもらいましょう

この税制の利用をするためには、経済産業局に設備投資の計画を認定してもらうことが必要です。

『設備投資計画申請書』

を作成・提出し、そして、その設備等が事業の用に供される前に経済産業局より『確認書』をもらう必要があります。

確認書をもらうまでのスケジュール(新規開業の場合)

オープン3ヶ月前位

  • 店舗物件賃貸借契約締結
  • 内装・美容器具等の見積もり
  • 内装業者より設備投資前図面と設備投資後図面を用意

オープン2ヶ月前位

  • 『設備投資計画申請書』作成
  • 投資計画について、税理士又は公認会計士の内容確認が必要(事前確認書発行)
  • 経済産業局に連絡の上、『設備投資計画申請書』提出の面接日を決定
  • 経済産業局へ必要書類(決算書・登記簿謄本等)を用意し訪問・提出

オープン1ヶ月前

  • 経済産業局より『計画確認書』が交付される

出店をするなら是非とも使いたい制度です

では、この制度はお得なのでしょうか。100%費用にできることで節税対策のように思われがちなこの制度ですが、一番のメリットはそこではありません。

この制度の最大のメリットは資金の早期回収にあります。

早めに費用化することによって、設備投資に要した支出を早期に回収することができるのです。

美容室経営で一番苦労するのは、設備投資資産の耐用年数の長さ(特に設備造作の耐用年数は15年)で減価償却費が大きく計上できないことと、借入の返済期間の短さ(通常5年〜7年)の差によりキャッシュフローの悪化にあります。

この制度を使うと投資費用のほとんどをその事業年度で償却することができ、一番大変な投資初年度に多額の納税をしなければならないリスクは回避される可能性があります。

ただし、初年度に償却してしまった分、翌年以降は減価償却として費用化できる金額はなくなり、長い目で見れば税金の支出は同じになります。

もし、税金を安くしたいのであれば、税額控除を選択してください。

実際の申請時には、関係機関窓口、または専門家にご相談ください。

2 件のコメント

  • 近々、美容室居抜き物件で、開業を考えてます。制度補助金などつかえますか?また。何処の管轄に申込むのでしょうか。

  • お問い合わせありがとうございます。

    http://www.chusho.meti.go.jp

    まずは、中小企業庁へお問い合わせください。

    もしくは、商工会議所です。

    補助金を利用するためには、いくつかの条件があります。

    美容室を独立開業するからといって、確実にもらえる訳ではありません。

    開業されるエリアにもよりますが、ご不安であれば、専門家の税理士さんのご紹介も可能です。

    もしくは、ミラサポ

    https://www.mirasapo.jp

    こちらでも相談に乗ってくれますので、よろしくお願いします。

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