労務の寺小屋｜第3回目は、美容室で使える可能性がある助成金

平成30年度の助成金について学ぼう！！

第3回目の労務の寺小屋は、助成金についてです。

助成金は返済不要！

助成金は国の施策を実施するために支給されるものです。

助成金は返済する必要のないお金なので、美容室経営に大きなメリットとなります。

厚生労働省関係の助成金は、会社が支払っている労働保険料の一部を財源としています。

保険料を支払うだけでなく制度を有効に活用し従業員のための働きやすい職場環境の整備をしていきませんか？

雇用の安定、職場環境の改善、仕事と家庭の両立支援、従業員の能力向上、生産性向上に向けた取り組みをしているサロン様がご活用いただけるものです。

助成金は国の制度によるものなので、支給を受けるためには、それぞれの要件があります。一般的な事項について確認しましょう。

法定三帳簿は整備されていますか？
就業規則はありますか？
労働保険料の滞納はありませんか？
雇用保険、社会保険（健康保険、厚生年金）の手続きは適正に行われていますか等、助成金を活用するためには、労働関係の法律（労働基準法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、健康保険法など）に基づいた正しい労務管理が行われていることが大前提となります。

助成金を申請するには細かな要件がございますが、ここではおおまかな概要について記載します。詳しい内容については、各県の労働局へお問い合わせください。

有期契約労働者等を正規雇用労働者等に転換または直接雇用した場合に助成されます。

一人当たり57万円（生産性要件を満たした場合は72万円）母子家庭の母等又は父子家庭の父等を転換した場合は一人当たり9万5千円を加算。

※今年度の改正点、今年度から賃金アップ要件が加わりましたので注意が必要です。

有期契約労働者等を対象とする「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、延べ4人以上実施した場合に助成されます。

1事業所当たり38万円（生産性要件を満たした場合は48万円）

※1事業所当たり1回のみ

OJTとOFF-JTを組み合わせた訓練や若年者に対する訓練、労働生産性の向上に資する等、訓練効果が高い10時間以上の訓練について助成されます。

スタイリストやアシスタントの訓練で使える可能性があります。

賃金助成1時間当たり760円

訓練経費助成実費相当額の45%

OJT実施助成1時間当たり665円

男性労働者が育児休業を取得しやすい職場環境風土作りに取り組み、かつ男性労働者に子の出生後8週間以内に開始する育児休業を取得した場合に助成されるのもあります。

育児復帰支援プランを作成し、プランに基づき労働者の円滑な育児休業を取得、職場復帰に取り組んだ事業主さまへの助成もあります（両立支援助成金）。

妊娠・出産でスタッフが育児休業をする場合に、要件に該当すれば助成金を活用することが可能かもしれません。

助成金はたくさんの種類があります。助成金を継続的に受給しながら働く環境を改善することで、離職率を低下させ、労働生産性を高めたり、業績upが期待できます。

「ヒトがなかなか採用できない」

「スタッフがすぐ辞めてしまう」

と悩んでいるオーナー様もいらっしゃると思います。

助成金を活用しながら魅力ある美容室作りをしていき人材の定着や採用力アップをしていきましょう。

助成金の申請には細かな要件があり、実際に助成金を受給できるまで長い期間がかかります。まずは、助成金に詳しいお近くの社会保険労務士事務所へご相談してみてはいかがでしょうか。サロン様に合った助成金が見つかるかもしれません。