企業経営は「ヒト」「モノ」「カネ」といわれています。その中で、もっとも重要な「ヒト」に関する助成金・給付金が厚生労働省から数多く出されています。そのほとんどは、業種を問わず活用できるものです。
しかしながら、「よくわからない」「手続きが面倒だ」などの理由により多くの事業主に活用されていないのが現状です。
ここでは、厚生労働省関連の助成金・給付金の中でも使い勝手の良いものを取り上げて紹介しています。
目次
ご注意ください
- 助成金情報は、平成29年6月10日時点のものです。実際に申請される際は、支給要件等をご確認ください。
- 各助成金には予算が決められており、支給額が予算に達した場合、期間内であっても受付終了となることがあります。
- 複数の助成金の要件に該当する場合でも、同時に併給できないことがあります。
- 支給申請をしてから実際に支給されるまで、数か月の期間を要することがあります。
助成金を上手に利用するためのチェックリスト
助成金を活用するためには、労働関係の法律(労働基準法・労働者災害補償保険法・雇用保険法など)に基づいた、正しい労務管理が行われていることが大前提となります。
- 下記の書類は整備されていますか。
労働者名簿、タイムカード(出勤簿など)、賃金台帳(給与明細書など)、労働条件通知書や雇用契約書
- 就業規則はありますか。
※労働者10名以上の場合、所轄労働基準監督署への提出義務もあります。
- 労働保険料の滞納はありませんか。
- 雇用保険の手続きは適正に行われていますか。
31日以上引き続き雇用されることが見込まれる従業員で、一週間の所定労働時間が20時間以上の者を、加入させていますか。
- 社会保険(健康保険・厚生年金)の手続きは適正に行われていますか。
1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が正社員の3/4以上のパート・アルバイトを加入させていますか。
- 最近6か月以内に会社都合で解雇した従業員はいませんか。
- 過去3年間において助成金について不正受給を行ったことはありませんか。
- 過去1年間に、労働関係法令違反により送検処分を受けていることはありませんか。
- 暴力団や風俗営業等関係事業主ではありませんか。
非正規社員関連の助成金
- キャリアアップ助成金
取扱機関:各都道府県労働局、ハローワーク
どんな会社が利用できるの⁉
有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップなどを促進するため、正社員化、人材育成、処遇改善の取り組みを実施した会社が利用できます。
どんな内容の助成金⁉
正社員コース
雇用されていた期間が通算して6か月以上の有期契約労働者等、又は有期実習型訓練を受講し修了した有期契約労働者等を正規雇用労働者等(勤務地・職務限定正社員、短時間正社員を含む。)に転換または直接雇用し、転換後6か月以上継続雇用した場合に支給されます。
人材育成コース
有期契約労働者等に次の訓練を実施すると支給されます。なお、職業訓練を実施する会社は、訓練開始の日の前日から起算して1か月前までに、キャリアアップ計画に基づいた訓練計画届を作成し、管轄労働局長の確認を受ける必要があります。①一般職業訓練(Off-JT)②有期実習型訓練(「ジョブ・カード」を活用したOff-JTとOJTを組み合わせた3~6か月の職業訓練)
健康診断制度コース
有期契約労働者等を対象とする「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、延べ4人以上に実施すると支給されます。
賃金規定等改定コース
すべて又は一部の有期契約労働者等の基本給の賃金規定等を増額改定し、昇給した場合に支給されます。対象労働者に適用される賃金に関する規定又は賃金テーブルを増額改定した日の前日から起算して3か月以上前の日から増額改定後6か月以上の期間継続して雇用されている有期契約労働者等が対象となります。
賃金規定等共通化コース
有期契約労働者等に関して正規雇用労働者と共通の職務等に応じた賃金規定等を新たに作成し、適用すると支給されます。賃金に関する規定又は賃金テーブル等を適用した日の前日から起算して3か月以上前の日から適用後6か月以上の期間継続して雇用されている有期契約労働者等で、正規雇用労働者と同一の区分に格付けされている者が対象となります。
諸手当制度共通化コース
有期契約労働者に関して正規雇用労働者と共通の諸手当制度を新たに設け、適用すると支給されます。諸手当制度を適用した日の前日から起算して3か月以上前の日から適用後6か月以上の期間継続して雇用されている有期契約労働者等が対象となります。
その他、今年度より労使合意に基づいた社会保険適用拡大に伴い、「選択的適用拡大導入時処遇改善コース」「短時間労働者労働時間延長コース」が新設されました。労使合意に基づく社会保険の適用を検討されている場合は、各都道府県労働局やハローワークの資料をご参照ください。
貴社の受けられる助成金を、診断します!
Q1 貴社は労働保険(労災保険・雇用保険)に加入している、または、加入の予定がありますか⁉
Q2 Q1で「はい」とお答え頂いた方は、雇用保険に加入している社員パート含む)の人数は⁉
Q3 貴社は社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入している、または加入の予定がありますか⁉
Q4 就業規則の作成・届出は済んでいますか⁉
Q5 社員を新たに雇い入れる予定はありますか⁉
Q6 男女問わず社員の育児や介護に配慮・援助し、その為の働きやすい職場環境作りを行う予定はありますか⁉
Q7 パートタイマーや期間を定めて雇用している従業員を正社員にする予定はありますか⁉
Q8 社員に対して教育研修(職業訓練や能力開発)を行う予定がありますか⁉
Q9 所定外労働の削減や年次有給休暇の取得促進に取り組む予定はありますか⁉
Q10 会社都合による退職予定の社員に対して、再就職の支援を行う予定はありますか⁉
実際の申請時には、関係機関窓口、または専門家である社会保険労務士にご相談ください。
コメントを残す